育休期間中の家計を助ける育児休業給付金。これまで順調に給付金が振り込まれていたのに、なぜか最終回だけ振り込まれない。そんな状態になって困っていませんか。育休の給付金の最終回がなぜ振り込まれていないのか、その原因を探ってみましょう。
なお、この記事は母親が取得する育休を対象としています。また出産した子はひとりのみで、育休の延長はしていない前提です。
育児休業給付金の最終回はいつ?
すでに育児休業給付金を受け取っている人であれば、給付金がすぐに受け取れるものではなく、まとまった単位(2ヵ月)で給付されることを理解しているかもしれません。
育休が開始するのは出産日から58日目からで、その終わりは子どもが1歳になる誕生日の前日です。暦の兼ね合いがあるので多少のずれはありますが、育休期間はおおむね365日-57日-1日=307日間になります。
仮に支給単位である2ヵ月を60日間とすると、60日分フルでの支給があるのは5回で、最終回は端数分(仮の例では7日間分)の支払いとなります。
給付金が支給されるまでの流れ
ここで育児休業給付金が支給されるまでの流れを確認しましょう。手続きは次のように進みます。
育休取得者(申出)→会社(申請)→ハローワーク(確認)→支給
会社がハローワークへ申請するのは原則2ヵ月単位です。たとえば8月1日から育休がスタートしたとすると、会社の申請は8月1日から9月30日までの2ヵ月間が経過してからなので10月になってからです。会社の申請があってからハローワーク側での確認と支給(振込手続き)があるため、どんなに速くても振り込みがあるのは10月中です。会社からハローワークへの申請が遅くなったり、なんらかの理由でハローワークでの確認期間が長くなる振込が11月へとずれ込むこともあります。
8月1日育休開始のケースで、育児休業給付金の振り込みを対象期間である2ヵ月経過後の翌月とした場合、最終回までのスケジュールは次のようにシミュレーションできます。
回数 | 対象期間 | 給付金の振込月(目安) |
1回目 | 8/1~9/30 | 10月 |
2回目 | 10/1~11/30 | 12月 |
3回目 | 12/1~1/31 | 2月 |
4回目 | 2/1~3/31 | 4月 |
5回目 | 4/1~5/31 | 6月 |
6回目(最終回) | 6/1~6/4 | 8月 |
この記事で取り上げるのは、最後の6回目の給付金の振り込みについてです。
給付金の最終回が振り込まれないときに考えられる理由
育児休業給付金の最終回が振り込まれない理由としていくつか考えられる原因があります。
育休所得者の勘違い(錯覚)
身も蓋もない話しですが、十分に考えられます。上の例で話しをすると、最終回は6月4日分まででそれ以降は給付対象にはなりません。このタイミングで会社へ復職する人も多いでしょう。その場合、6月、7月と会社で働いているので、育休を取得していたのはすでに過去のことになっています。8月になって振り返ってみると育休を取得していたのは2ヵ月も前のことです。この時のお金がまだ振り込まれないということを遅いと錯覚してしまうのです。育休の給付が2ヵ月単位であることをはっきりと理解していないときにこうした勘違いが生まれやすいです。
もうひとつの勘違いは復職を早めている場合です。これも先の例で話しをしますが、仮に5月下旬に復職を果たしていたとすると育休はその時点で打ち切りとなります。このとき、育休の振込回数を6回と覚えてしまっていると、最終回(6回目)の給付金がいつまでたっても振り込まれないと勘違いしてしまうのです。
どちらも冷静に考えたら分かることですが、育児休業給付金について正確に情報を理解している人は意外と少なく、ふとした記憶の掛け違いなどからこのような勘違いが生まれることは多々あります。
会社の手続き漏れ
会社側の手続きに原因がある可能性もゼロではありません。ハローワークへの申請を忘れたり、該当者リストの中から漏らしてしまうことは十分に考えられます。特に最終回の支給では、本人が復職していることが多いこともあり、うっかりミスが起こりがちです。
申請をしなかったことが原因で振り込まれない場合、会社側に依頼しない限り給付金はいつまでたっても振り込まれません。これまでの振込日などを遡って確認し、支給されていないことがおかしいと感じるなら、会社の担当者へ申請をしたかどうか、問い合わせましょう。