育児休業給付金は最長で2年間受け取ることができます。家計のやりくりを考えるうえで、無視できない期間です。これだけ長い間となると給付金を受け取る手続きが正しくできるかや、途中で失効してしまうようなことがないか不安になってしまうかもしれません。
この記事は初めての給付金をしっかりと受け取ることに焦点を絞りました。初回の給付金を無事に受け取れれば、2回目以降はその流れに乗るだけなのでそれほど難しくはありません。また、初回の山を越えてしまえば育児休業給付金制度の全体像がはっきりしてくるので、そのあとで迷うことは少なくなります。
※本記事は女性が育児休業給付金を得るためのものです。
給付金の初回振込はいつ?目安期間は?
育児休業給付金の初回振込がいつになるかを考えましょう。家計管理の上でもいつ実際の入金があるかは重要です。
振込時期を思い描くときにもっとも分かりやすいのは、出産日を基準にすることです。結論から先に言うと、育児休業給付金の初回振込は出産日から135日から140日くらい、おおむね4ヶ月半後に行われます。その間にはいくつかのステップがありますので、ひとつずつどのようにクリアするのか見ていきましょう。
ステップ1:出産から育休開始まで(57日)
ご存じの人も多いでしょうが、出産したらすぐに育休が始まるわけではありません。出産の翌日から8週間は産後休業期間です。育休は産後休業期間が終了した次の日から始まりますので、出産日から数えると58日目になります。
ステップ2:育休の開始。支給は原則2ヵ月単位(59日から62日)
育休がスタートしてもすぐに給付金がもらえるわけではありません。給付金の支給は原則2ヵ月単位です。これは初回も同じです。育休開始日から2ヵ月が過ぎてようやく、給付金の申請をするスタート地点に立つことができます。
ステップ3:ハローワークの審査(7~15日)
支給期間の2ヵ月が経過すると、支給に関する審査が行われます。審査にかかる期間ですが、審査は事業所を管轄するハローワークが行うため、全国一律ではありません。目安期間は7~15日間です。申請をしているのに審査の結果を知らせる通知書が届かない場合は、該当のハローワークに来所し、問い合わせることができます。個人情報保護の観点から電話での問い合わせには対応していませんので、注意してください。
ステップ4:ハローワークによる振り込み手続き(7日)
審査を無事通過すると、会社経由で「育児休業給付金支給決定通知書」が送られてきます。この書類に支給決定日が記載してありますので、まずはその日付を確認してください。実際に銀行に入金されるのは、支給決定日から7日間が目安期間になっています。
育児休業給付金の初回振込に必要な4ステップを紹介しました。すべてのステップが完了する目安期間が、出産日から130日から141日後です。給付金の初回振込が遅すぎるという声もありますが、事前に目安日数を把握し家計管理をシミュレーションしておくと良いでしょう。もちろん、健康保険から給付される出産手当金の活用も大切です。
初回の振込額は何ヶ月分?
育児休業給付金の初回振込額が何ヶ月分になるかですが、先のステップを見た人には簡単な問題です。答えは2ヵ月分ですね。育休開始日(出産日の58日目)からの2ヵ月が対象になります。出産日から2ヵ月ではないので注意しましょう。
初回の受け取りは提出する書類が多い
育児休業給付金を受け取るためには、その資格があることを証明しなければなりませんので、そのためにいくつか書類の提出が必要になります。特に初回の受給に関しては、必要書類が多くあります。
とはいえ、給付金に関する申請は会社を通して行うのが一般的ですので、それほど難しいことではありません。
会社から送られてきたものに記入する書類
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- 育児休業給付受給資格確認票
- (初回)育児休業給付金支給申請書
このふたつの書類は会社が用意し、送付してくれますので、そこに必要事項を記入するだけです。記入後は会社に送り返します。
自分で用意する書類
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- 母子健康手帳の写し
- 給付金を受け取る金融機関の通帳またはキャッシュカードの写し
先の書類を会社に返送するときに、添付する書類です。金融機関の名義が旧姓のままだと取り扱いできませんので注意してください。
このほか、会社側で別に用意する書類があります。最終的に会社のほうで書類をとりまとめて、管轄するハローワークへ届け出ます。ハローワークへの申請期限は、育休開始日から4ヶ月を経過する日の属する月の末日までとなっています。分かりづらいですが、たとえば4月10日に育休が開始の場合、その提出期限は8月31日です。しかしこれでは、育児休業給付金の初回振込の目安である「出産日から135日から140日くらい」を大幅に過ぎてしまいます。一般的には育休開始後、1ヵ月が経った頃に、会社がハローワークへ申請します。会社がいつ申請したか分からず不安だという人は、この頃になったら会社へ確認の連絡をするといいでしょう。