パートの働き方で耳にする「週20時間」って何?

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パート先の社会保険への加入条件のひとつに、働く時間があります。「週20時間」はそこで設定されている時間です。週20時間以上働くなら保険加入の可能性が高く、週20時間未満しか働かないなら保険加入の可能性はなくなります。

社会保険への加入希望週の所定労働時間
加入したい週20時間以上
加入したくない週20時間未満

労働時間は契約書面で確認

週20時間の労働とは具体的に、いつ時点の労働時間を指すのでしょうか。週によって20時間を超えたり、少なかったりするパートさんもなかにはいるでしょう。また、仕事に慣れてきたことでシフトが増え、最初は週15時間くらいだったのが、今では週20時間以上が当たり前になっているというように、労働時間が変わることも考えられます。

労働時間というのはその時々で変動することがあるため、その都度、社会保険の加入条件を満たすかどうかを決めるのは煩雑で、手間がかかります。そのため、週20時間以上かどうかは、雇用契約書に記される「所定労働時間」を基準にすることが原則となっています。

パート先で社会保険に加入したくないなら、雇用契約書の所定労働時間が20時間未満であることが原則です。

中小企業でのパートなら、週30時間未満までは働ける?

パート先の社会保険に加入しないための週20時間未満の労働ですが、このルールが厳密に適用されるのは、従業員数が501人以上の大企業だけです。いわゆる中小企業でのパートでは週20時間を超えていても30時間未満に納まれば保険加入の必要がありません。ただし、このルールは今後、段階的に変わり中小企業でもやがては週20時間未満へ統一されていく予定です。

保険に入らない条件が、週20時間未満の会社規模

現在従業員数501人以上の会社
2022年10月~2024年9月従業員数101人以上の会社
2024年10月~従業員数51人以上の会社

社会保険に加入したくなったらどうする?

最初はパート先の社会保険に加入していなかったけれど、様々な事情で加入したくなったパートさんはどうしたらいいのでしょうか?

この場合は実際の労働時間と、先に説明した雇用契約書に記される「所定労働時間」が重要になります(雇用契約書の大半は、所定労働時間が週何時間になるかを記載していません。記載のある「始業・終業の時間」「休憩時間」「休日」から週の所定労働時間を算出することになります)。

社会保険に加入するため、実際の労働時間と雇用契約書の所定労働時間の両方を増やすには、会社側の同意と協力が不可欠です。どちらか一方の時間だけが変わっても、社会保険への加入がスムーズに進まない可能性があるので、必ず両方の時間が週20時間以上(勤め先の会社規模によっては30時間以上)になるようにしましょう。

会社は社会保険に入れないほうがお得?

社会保険に対する会社の考え方は様々ですが、ひとりのパートさんであっても、保険の加入者が増えれば、会社はその分のお金を負担しなければなりません。健康保険料、厚生年金保険料の会社負担額は少ない場合でも月12,000円から13,000円程度にはなります。経営がシビアで経費を少しでも抑えたい会社であれば、パートさんが社会保険に入らないほうが望ましい状況と言えます。会社によっては、パートさんが社会保険に入らないよう労働時間でしか契約できなかったり、社会保険への加入を積極的に進めないこともあります。

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