パートだから住民税を払わなくていい?【2020年・非課税の条件】

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 パートには住民税を払っている人と、払わない人がいる。また、同じ人でも住民税を払う年と、払わない年がある。税務署の気まぐれ?そんなはずないよね。この違いはズバリ、稼ぎの差だ。たくさん稼いでいる人、たくさん稼いだ年は住民税の負担がある。あまり稼いでいない人、稼いでいない年は住民税の負担がなくなる。これが住民税の原則だ。

 だから、子どもが住民税払うかどうか分からなくなったらこの原則に立ち返ればいい。子どもは働いていないよね。当然、住民税を払う必要はない。住民税は世帯ではなく個人に対して課せられるものなので、親が代わりに払うこともない。

パートをしてるけど、住民税を払わなくていい人

 では、パートで住民税を払わなくていい人に当てはまるにはどれくらいまで稼ぐことになろうのだろうか。

 結論から言うと、年収で100万円だ。ただし、すべてのパートがこの基準とは限らない。前提条件は、家計や扶養親族をパートナーである配偶者が支えていること。住まいが東京23区内であることだ。居住地を東京23区としているのは、自治体によっては年収が100万円よりも少ない額でも住民税がかかることがあるからだ。23区同様に年収100万円以下をラインとしている自治体も多くある。最終確認はそれぞれの住む自治体のルールを確認してほしい。

 せっかくなのでどうして100万円なのかを確認しておこう。まず住民税には稼ぎに応じて税額が変わる所得割と、全員が同じ額を負担する均等割がある。住民税を払わない人の稼ぎを決めるにあたり、所得割と均等割で微妙にルールが違う点は注意が必要になる。

住民税の所得割が非課税になるケース

 まずは所得割のほうから確認しよう。所得割は35万円が非課税限度額だ。これは所得が35万円以下であれば税金を課さないということ。では、所得とは何か?だが、これは年収から控除分を差し引いたものだ。給与所得者の場合、収入から65万円を給与所得控除という形で差し引いて所得を計算する。

 計算式にすると「年収-65万円(給与所得控除)=所得」だ。

 所得35万円までは所得割がかからないので、これを年収に置き換えると、35万円と給与所得控除の65万円を足した100万円になる。これが「住民税を払わなくていい人の年収100万円まで」のもっとも基本な部分だ。

住民税の均等割が非課税になるケース

 均等割も考え方は所得割とほとんど同じ考え方なのだが、非課税限度額に違いがある。所得割の非課税限度額が35万円だったのに対し、均等割は35万円、31.5万円、28万円と3つの区分に分かれている。どの区分になるかは地域によって違い、基本的には住居費の高い都心部ほど限度額が高くなっている。

 つまりA市では給与所得控除65万円+非課税限度額35万円=年収100万円が均等割が非課税に、B町では給与所得控除65万円+非課税限度額28万円=年収93万円が均等割が非課税になるという違いが生じる。

パートで、住民税を払わない人の年収

 ここまでをまとめると、住民税には所得割と均等割があること。所得割は年収100万円以下であれば非課税になり、均等割は地域によって非課税のラインが、年収100万円以下、96.5万円以下、93万円以下のいずれかになる。簡単なケースタディでまとめてみよう。

  • 年収93万円…どこに住んでいても住民税は非課税になる。
  • 年収96.5万円…所得割は非課税。均等割は住んでいる地域によって課税か非課税かが決まる。
  • 年収100万円…所得割は非課税。均等割は住んでいる地域によって課税か非課税かが決まる。

パートをして、自分で住民税を払う人

 所得がいくらあると、パートでも自分で住民税を払うことになるのだろうか。

 パートで住民税を自ら払うことになるのは、先ほど説明した払わなくていい年収ラインを超えてしまう人だ。地域によっては年収93万円からで、年収が100万円を1円でも超えたら原則課税対象になる。

なお、所得税と住民税に関しては交通費として支給されている金額は電車・バス等の公共交通機関利用なら月15万円までは収入にも、もちろん所得にも含まれない。

住民税はいくらになる?

 住民税の課税対象者となってしまった場合、いったいいくら税金を払うことになるのだろうか。実は、住民税は計算がそれほど複雑ではない。計算式にすると以下のとおりだ。

  • 所得割 : 所得×10%
  • 均等割 : 5,000円

 多くの市区町村が上記計算方法で住民税額を算出することができる。ただし一部地域、有名なところでは横浜市などは、住民税がもう少し高くなる計算式が設定されている。気になるようであればそれぞれの住む自治体に確認してほしい。

住民税の支払いは天引きが原則

 年収が100万円を超え、住民税を払う対象となった場合、その支払い方は原則パート先の給与天引きによって行われる。そのため自分で税金を計算したり、納付書をもって役所や金融機関に出向くことはない。

 住民税は1年間の所得を元に、その次の年の6月から5月にかけて給与から天引きされる仕組みになっている。新しくパートを初めたら、最初の年と翌年の5月までは天引きがない。6月から始まる天引きは初年度の所得に対して課税されたものだ。

 この仕組みで注意が必要なのは、パートを辞めた翌年だ。辞めた年分の住民税は翌年に自治体から通知書が直接郵送されてくるので、自分で支払わなければならない。稼ぎの多いパートの場合、住民税もばかにならない金額になっているので、税金分はプールしておくようにしよう。

執筆者

鈴木玲(ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー)

出版社、Webメディアで企画・制作を手掛けたのちに、メディアプランナーとして独立。それまで無関心だった社会保険や税金、資産運用に目覚める。主に若年層に対して社会の仕組みやお金の役割について経験をもとに、わかりやすく伝える。

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