アルバイト・パートの確定申告で必要になる書類とは?

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確定申告で必要となる書類には大きくふたつの種類があります。必ず用意する書類と確定申告をする目的に応じて必要となるものです。

必ず用意する書類

確定申告をするアルバイト・パートが必ず用意するのは次の書類です。

  • 確定申告書
  • 給与所得の源泉徴収票

なんと、これだけです。

「確定申告書」とは、確定申告のために作成し提出するものです。国税庁のホームページ上に「確定申告書作成コーナー」がありますので、特に理由がなければここで作りましょう。確定申告書にはAとBの2種類があります。Bがすべての人に対応した様式になっているのに対し、Aはその簡易版で所得が給与所得や公的年金、その他の雑所得のみの人に対応しています。仕事を掛け持ちしていて確定申告する人や、医療費控除の申請を確定申告で行う人はAの様式を使います。

「給与所得の源泉徴収票」は確定申告書を作成にあたり必要な情報を入力するために用います。通常、勤務先から12月の給与明細と一緒に渡されますが、会社によっては翌年1月になることもあります。給与所得の源泉徴収票は確定申告書を提出するときに添付書類用の台紙に張って提出しますので、確定申告書への入力が終わっても無くさないように注意してください。

確定申告をする理由が仕事の掛け持ちで、メインの仕事先で年末調整を受けている人は、「確定申告書」と「給与所得の源泉徴収票」の書類だけあれば確定申告は行えます。

確定申告の目的に応じて必要となる書類

ここからは確定申告の目的別に必要となる書類についてです。特に目的となることが多いケースを解説します。

医療費控除に必要な書類

  • 医療費控除の明細書

医療費控除の明細書は自分で作ります。書式は「確定申告書作成コーナー」にありますので、特に理由がなければそちらを利用しましょう。この明細書は医療費の領収書を見ながら転記していくことで、作成していきます。領収書そのものは提出する必要はありませんが、5年間は保存の義務がありますので、捨てないように注意してください。

社会保険料控除に必要な書類

  • 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書

アルバイト・パート先で社会保険(健康保険、厚生年金)に加入している人は、年末調整で控除を行っているはずです。ここで紹介するのはアルバイト・パートの掛け持ちで所得が一定以上ありながら国民年金に加入している人が、確定申告で社会保険料控除をするケースです。

社会保険料(国民年金保険料)控除証明書は通常10月末日に日本年金機構から発送されますので、11月に手元に届くことになります。添付書類台紙に貼って提出しますが、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書に関しては、確定申告書提出の際に税務署で提示することも認められています(提出せずにその場で見せるだけでも良いとされている、ということです)。

勤労学生控除に必要な書類

  • 学校や法人から交付される証明書

勤労学生控除は通常、年末調整で行います。ここで紹介するのは年末調整をしていない学生アルバイトが、確定申告で勤労学生控除を申請するケースです。

勤労学生のうち、一般的な高校、大学、大学院などの学生については、証明書の添付は必要ありません。専修学校、各種学校又はいわゆる職業訓練学校の生徒等の場合には、在学する専修学校の長等から必要な証明書の交付を受けて申告書に添付します。提出せずに申告書を提出する際の提示とすることも可能です。

生命保険料控除に必要な書類

  • 支払い額などの証明書

生命保険料控除は通常、年末調整で行います。ここで紹介するのは年末調整をしていないアルバイト・パートが、確定申告をで生命保険料控除を申請するケースです。

生命保険料の支払額などの証明書は、保険加入先の保険会社等から「生命保険料控除証明書」として、通常10月から11月ごろに郵送で届きます。添付書類台紙に貼って提出します。確定申告書提出の際に税務署で提示することも認められています。

身元証明書の取り扱い

確定申告をする際は身分を証明するものが必要です。ほとんどの場合、証明書類を添付書類台紙に貼って提出しますが、これまで見てきた一部の書類同様に、提出時の提示も認められています。身分証明に必要な書類は次のものです。

  • マイナンバーカードのコピー

マイナンバーカードを持っていない場合は、マイナンバーを確認できる「番号確認書類」および身元確認証がその役割を果たします。前者は通知カードもしくはマイナンバーの記載のある住民票、後者は運転免許証、公的医療保険の保険証、パスポートなどです。

執筆者

鈴木玲(ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー)

出版社、Webメディアで企画・制作を手掛けたのちに、メディアプランナーとして独立。それまで無関心だった社会保険や税金、資産運用に目覚める。主に若年層に対して社会の仕組みやお金の役割について経験をもとに、わかりやすく伝える。