新卒社員もびっくり!「住民税0円」のカラクリ。4月入社の新卒は住民税をいつから払う?

この記事は約4分で読めます。

新卒は住民税を払わない。この噂は本当だろうか。では、いつから住民税を払うことになるのだろう。その住民税はいつの分のものを払っていることになるのだろうか…。新卒社員ならではの、ちょっと混乱する住民税のスケジュール問題を、分かりやすく整理してみよう。

新卒社員は住民税はいつから払うのか?

 いつから払うか。その答えは翌年の6月からだ。つまり新卒で入社した場合、最初の1年+2ヵ月は住民税を払わないことになる。

新卒特権?初年度の住民税はかからないの?

 なぜ1年と2ヶ月にわたり住民税の支払いがないのだろうか。新卒1年目でフレッシュなキミへのプレゼントだろうか。

 残念ながら社会はそんなに甘くはない。1年+2ヵ月は「住民税を払わない」。ただし、これは住民税がかからない、と同じ意味ではない。支払いがないだけだ。やがてはこの期間分の稼ぎ(所得)に対しても住民税を支払うときがくる。それが冒頭の答え、「翌年の6月から」だ。

住民税の天引きが2年目の6月からになるメカニズム

 なぜ、入社から1年と2ヵ月もたってから住民税の支払いが始まるのか。種明かしをしていこう。

 住民税は、前年の所得額をもとに計算される。新卒入社の場合、前年の所得はない。所得は月単位でなく年単位で計算するということも重要なポイントだ。 新卒社員にとって最初の所得は、入社した年の4月から12月までの9ヵ月分のもの。この期間の住民税が計算できるようになるのは、少なくとも入社の次の年になる。入社年の4月から12月に住民税の支払いがないのはこういう理由からだ。

 では、次に住民税の支払いが翌年の6月からになる理由を説明しよう。端的に言ってしまえばこれは計算にかかる時間が必要だからだ。前年の所得は12月の給料日を過ぎたら即座に明らかになるわけではない。年が明けて3月、正確には確定申告の締切日である3月15日が1年の所得を計算する締日にあたる。

 サラリーマンには確定申告は無関係と思っている人もいるかもしれないが、必ずしもそうではない。住宅を購入した場合の住宅ローン控除や、医療費がかかった場合の医療費控除などを確定申告しているサラリーマンは少なからず存在する。それに今は副業可の時代。副業分の稼ぎを計算して給与と合算する作業なども確定申告を通して行われる。所得が決まるのが3月15日以降。住民税はそこからようやく計算が始まるんだ。

 住民税の計算をするのは、それぞれの社員が居住する市区町村だ。知らない人も多いが住民税の計算方法は市区町村ごとに異なる。同じ所得でも住む場所によって住民税の額に多寡があるのだ。市区町村は各人の住民税を計算し、それを6月〜5月の12ヶ月分に振り分けしたものを会社へ「住民税課税通知書」という形で送付する。 会社の担当者(経理部が多いかな)はこの通知書の額をもとにして、給与から各社員の住民税を天引きしているんだ。

住民税と所得税の納税方法の違い

 サラリーマンの給与から天引きされるお金が住民税だけでないことを知っている人は多いよね。天引きは税金と社会保険だ。ここでは社会保険はいったん置いておこう。天引きされる税金は所得税と住民税のふたつ。となると、所得税も住民税と同じ仕組みになりそうなものだが、これがまったく違うんだ。

 所得税は新卒でも最初の給与から天引きされる。所得税も前年の所得額をもとに計算される点では住民税と変わらない。ただし、所得税は、その月の給与等をもとにして、おおまかな税額分をその月の給与支払いのタイミングで天引きしてしまう点が大きく異なる。

 ほとんどのケースで、毎月天引きされる所得税額の合計は、(副業などその他の所得がなければ)実際にその年に納めなければならない所得税額より多くなっている。だから払い過ぎた所得税には、後で戻ってくる仕組みが用意されている。

 所得税は稼いだ月の分の税金をその月に払っていることになるので、一見分かりやすいが、納め過ぎた分を戻すためにやることもあり、仕組みとしてはより複雑だ。機会があればこちらのほうも調べてみるといいだろう。

住民税はいつまで払うのか?

 出だしの部分ですでに1年2ヵ月の支払いのタイムラグがある住民税。では、これはいつまで払うことになるのだろうか。

 長年の勤労に敬意を表し、リタイア後の支払いを免除するほど社会が甘くないことは、この年になったときは嫌というほど分かっているだろう。

 住民税の支払いは、退職した翌年(退職が1月から3月の場合は翌々年)5月に「住民税課税通知書」によって連絡される。会社員の時と違い、毎月ではなく1年を4期に分けて支払うことになるので各回の支払い額が大きくなる点は注意が必要だ。

 新卒で働き始めたばかりのキミにはまだ先の話だから、今からその時のためにお金を貯める必要はないだろう。ただ、このことを知っていると身近な人、たとえば両親が退職した翌年の懐事情なども斟酌できるので、知っておいても損はない。

執筆者

鈴木玲(ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー)

出版社、Webメディアで企画・制作を手掛けたのちに、メディアプランナーとして独立。それまで無関心だった社会保険や税金、資産運用に目覚める。主に若年層に対して社会の仕組みやお金の役割について経験をもとに、わかりやすく伝える。

タイトルとURLをコピーしました