掲載パターン40以上。年収別の手取り額【2020年・早見表】

この記事は約11分で読めます。

 年収から「何か」が引かれていることは多くの人が知っているよね。「何か」とは、社会保険料と税金だ。社会保険料には何があるんだろう?税金は所得税のこと?こうなると答えられない人もいるよね。それぞれの金額まで言い当てられるのはお金のスペシャリストか、稀代の節約家だろう。

年収から引かれるもの。引かれる度合い。

 このページでは年収別に社会保険と税金がどれくらいかかっているのか、結果として手取りはいくらくらいになるのかを表にしてまとめてみた。年収は200万円から1,000万円まで20万円ずつできざんでいるよ。

 簡単に予習をしておくと、社会保険として引かれるのは健康保険・厚生年金・雇用保険の3つだ。引かれる額にかなりばらつきがあるので、そこにも注目してみてね。

 税金は所得税と住民税のふたつ。年収の低い人は住民税が、年収の高い人は所得税の負担割合が高いという特徴があるよ。

全体がイメージできてまだ余裕があればそれぞれの金額がどうやって決まっているのかも確認してみよう。

年収200万円~1,000万円の手取り額【早見表】。

年収健康保険厚生年金雇用保険所得税住民税手取り額
200万円98,108181,9025,96427,70064,5001,609,000
220万円110,248204,4116,59433,40075,7001,767,000
240万円117,552217,9537,18239,40087,3001,924,000
260万円130,778242,4757,77044,40097,1002,067,000
280万円138,180256,2008,40050,800109,7002,236,000
300万円151,406280,7228,98855,900119,6002,379,000
320万円152,788283,2849,57662,600132,8002,550,000
340万円166,013307,80610,16467,600142,7002,963,000
360万円179,338332,51110,79473,200153,5002,848,000
380万円192,564357,03311,38279,300165,4002,988,000
400万円193,946359,59511,97087,000180,6003,156,000
420万円207,270384,30012,60093,600193,5003,308,000
440万円220,496408,82213,18899,900205,4003,448,000
460万円221,878411,38413,776115,400220,6003,608,000
480万円235,103435,90614,364127,600232,5003,742,000
500万円248,428460,61114,994140,700245,4003,887,000
520万円261,654485,13315,582152,800257,2004,021,000
540万円263,036487,69516,170168,400272,5004,182,000
560万円282,282523,38016,800179,900283,7004,313,000
580万円283,664525,94217,388195,400298,9004,474,000
600万円302,812561,44417,976205,800309,1004,594,000
620万円304,193564,00618,564221,300324,3004,755,000
640万円323,440599,69119,194232,800335,6004,887,000
660万円324,822602,25319,782259,400350,8005,036,000
680万円343,970637,75520,370283,900362,8005,141,000
700万円345,450640,50021,000321,700381,3005,290,000
720万円346,832643,06221,588356,600398,4005,429,000
740万円365,980678,56422,176381,500410,6005,533,000
760万円367,361681,12622,764416,400427,7005,672,000
780万円386,608716,81123,394443,800441,0005,786,000
800万円387,990719,37323,982478,900458,3005,925,000
820万円407,138754,87524,570503,600470,4006,029,000
840万円408,618757,62025,200541,000488,8006,178,000
860万円427,766793,12225,788567,900501,9006,279,000
880万円429,148795,68426,376606,900521,0006,412,000
900万円448,295831,18626,964642,500538,4006,510,000
920万円449,776833,93127,594684,300558,9006,653,000
940万円468,924836,49328,182719,900576,3006,774,000
960万円470,306839,05528,770758,900595,4006,907,000
980万円489,552841,80029,400796,200614,2007,037,000
1000万円490,934844,36229,988836,300633,3007,171,000

 計算に必要な代表的な条件や計算方法などは次のように設定している。

  • 基礎控除は所得控除48万円、住民税控除43万円で計算。
  • 健康保険、雇用保険料額は「協会けんぽ・東京都2020年9月~」を使用。
  • 雇用保険料率は「一般の事業」を使用。
  • 年齢は介護保険の負担がない40歳未満を設定。
  • 住民税は東京都の基準を使用。
  • 所得税には復興特別所得税を含む。
  • 年収を14で割り、給与に12、賞与に2を充てている。14で割った時点で千円未満はすべて切り捨て、以降はすべて切り捨てた数値をもとに計算している。
  • 手取り額は千円未満をすべて切り捨てている。

社会保険の計算方法。

健康保険

 健康保険は給与と賞与で保険料の計算方法が少しだけ違う。まず給与について説明しよう。健康保険は給与が高くなるほど保険料も高くなる仕組みになっている。保険料を算出するときに使う給与額は実際の額ではなくグレード分けして代表値を決めている。例をあげてみよう。

 給与が195,000円~210,000円未満なら200,000円。給与が210,000円~230,000円未満なら220,000円。これが代表値で「標準報酬月額」と呼ばれる。

 キミが負担する保険料は、代表値×4.95%で出てくる数値だ。上の例を使うと給与が198,000円の人、208,000円の人は200,000×4.95%=9,900円。給与が210,000円の人、225,000円の人は220,000円×4.95%=10,890円になる。

 以上が毎月の給与から引かれる健康保険料の算出方法だ。なお、給与が1,355,000円を超えると標準報酬月額は1,390,000円で固定される。1,390,000円×4.95%=68,805円が給与にかかる健康保険料の上限ということだ。

 つづいて賞与をもらったときの計算方法を説明しよう。賞与の場合は総額から千円未満を切り捨てた額を保険料を算出するときに使用する。これも例をあげて説明しよう。

 賞与が205,689円なら205,000円。387,680円なら387,000円。これは「標準賞与額」と呼ばれる。

 キミが負担する保険料は、標準賞与額×4.95%で出てくる数値だ。 賞与が205,689円の人は205,000円×4.95%=10,147円。387,680円の人は387,000×4.95%=19,156円になる。50銭以下は切り捨て。50銭以上は切り上げとなる。なお、賞与の年度累計額が5,730,000円を超えた部分については保険料はかからないので、5,730,000円×4.95%=283,635円が賞与で払う保険料の上限となる。

厚生年金

 基本的には健康保険と同じような仕組みだ。重複するところもあるけど最初から説明するよ。

 厚生年金は給与と賞与で保険料の計算方法が少しだけ違う。まず給与について説明しよう。厚生年金は給与が高くなるほど保険料も高くなる仕組みになっている。保険料を算出するときに使う給与額は実際の額ではなくグレード分けして代表値を決めている。例をあげてみよう。

 給与が195,000円~210,000円未満なら200,000円。給与が210,000円~230,000円未満なら220,000円。これが代表値で「標準報酬月額」と呼ばれる。

 キミが負担する保険料は、代表値×9.15%で出てくる数値だ。上の例を使うと給与が198,000円の人、208,000円の人は200,000×9.15%=18,300円。給与が210,000円の人、225,000円の人は220,000円×9.15%=20,130円になる。

 以上が毎月の給与から引かれる厚生年金保険料の算出方法だ。なお、給与が605,000円を超えると標準報酬月額は620,000円で固定される。620,000円×9.15%=56,730円が給与にかかる健康保険料の上限ということだ。

 つづいて賞与をもらったときの計算方法を説明しよう。賞与の場合は総額から千円未満を切り捨てた額を保険料を算出するときに使用する。これも例をあげて説明しよう。

 賞与が205,689円なら205,000円。387,680円なら387,000円。これは「標準賞与額」と呼ばれる。

 保険料は、標準賞与額×9.15%で出てくる数値だ。 賞与が205,689円の人は205,000円×9.15%=18,757円。387,680円の人は387,000×9.15%=35,410円になる。50銭以下は切り捨て、50銭以上は切り上げとなる。なお、1度に支払われる賞与の額が1,500,000円を超えた部分については保険料はかからないので、1,500,000円×9.15%=137,250円が賞与1回で払う保険料の上限となる。

雇用保険

 雇用保険料の計算はシンプルだ。給与と賞与で計算の違いはなく、上限も設定されていない。キミが負担する保険料は、給与額(または賞与額)×0.3%で出てくる数値だ。 給与(または賞与)が210,613円の人は210,613円×0.3%=632円、425,130円の人は425,130円×0.3%=1,275円になる。

税金の計算方法。

所得税

 所得税は計算プロセスが長いので順番に説明しよう。 

 1. 年収から給与所得控除を引いて給与所得を出す。

 給与所得控除の額はこの表を使って算出できる。

年収 給与所得控除額
1,800,000円以下年収×40%(最低650,000円)
1,800,000円超から3,600,000円以下年収×30%+180,000円
3,600,000円超から6,600,000円以下年収×20%+540,000円
6,600,000円超から10,000,000円以下年収×10%+1,200,000円
100,000,000円超2,200,000円

 年収が3,400,000円の人の給与所得は3,400,000円-(3,500,000円×30%+180,000円)=2,200,000円。6,000,000円の人の給与所得は6,000,000円-(6,000,000円×20%+540,000円)=4,260,000円になる。

 2. 給与所得から所得控除を差し引いて課税所得額を出す。

 今回の条件に該当する所得控除は社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険)と基礎控除だ。基礎控除は年収にかかわらず一律380,000円。社会保険の計算は上の説明を確認してね。計算で出てくる課税所得額は1,000円未満は切り捨てにするよ。

 年収3,400,000円の人の課税所得額は2,200,000-(484,488円+380,000)=1,335,000円。年収6,000,000円の人の課税所得額は4,260,000-(883,152+380,000)=2,996,000円になる。

 3. 課税所得額に税率をかけて、控除額を差し引いて所得税を算出する。

 税率と控除額は課税所得額に応じて決まっている。次の表を使って算出しよう。

課税所得額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超から330万円以下10%97,500円
330万円超から695万円以下20%427,500円
695万円超から900万円以下23%636,000円
900万円超から1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超から4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

 年収3,400,000円の人の所得税は1,335,000×5%=66,750円。年収6,000,000円の人の所得税は2,996,000円×10%-97,500円=202,100円になる。

 2037年までは復興特別所得税が加算される。所得税×102.1%をすることで復興特別所得税を含めた所得税額を求めることができる。100円未満は切り捨てだ。年収3,400,000円の人の所得税は66,750円×102.1 %=68,100円。年収6,000,000円の人の所得税は206,300円が最終的な納付額だ。

住民税

 住民税は年収から給与所得控除を引いて給与所得を出すところまでは所得税と同じだ。課税所得を求めるときに、所得税は基礎控除が380,000円だったが、住民税の場合は330,000円になる。

 住民税における年収3,400,000円の人の課税所得額は2,200,000-(484,488円+330,000)=1,385,000円。年収6,000,000円の人の課税所得額は4,260,000-(883,152+330,000)=3,046,000円になる。ここでも1,000円未満は切り捨てだ。

 課税所得額に所得割をかけて、均等割を加えた額が住民税額だ。 東京都の場合、所得割は10%、均等割は5,000円だ。

 年収3,400,000円の人の住民税は1,385,000×10%+5,000円=143,500円。年収6,000,000円の人の所得税は2,996,000円×10%+5,000円=304,600円になる。

 なお、こうして算出された住民税は翌年6月の給料から引かれることになるので、収入と手取りを厳密に見る場合はこのタイムラグも含めて計算する必要がある。今回のシミュレーションはタイムラグがないものとして計算している。