時給1,000円だと手取りはいくら? 収入別パートの手取り18事例【2020年】

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パートやアルバイトは時給制で働いている人がたくさんいます。月末には、その月の労働時間×時給によってだいたいの稼ぎを計算している人も多いのではないでしょうか。計算した額がすべて銀行に振り込まれればよいのですが、残念ながらそうはなりません。社会保険や税金などの天引きがあるからです。パートさんの手取り事情を確認してみましょう。

パート先で社会保険に入らない人の手取り

配偶者の扶養に入っているため、パート先では社会保険に入らないように仕事量を調整するパートさんは多数います。そうした働き方であれば、社会保険料の天引きはほぼないので、収入の大部分が手取りになります。「ほぼ」と条件を付けたのは、雇用保険だけは天引きされるパートさんもいるからです。雇用保険の保険料は一般的な業種であれば、時給1,000円に対して3円程度ですので、それほど影響はないと言えるでしょう。

天引きには社会保険料のほかに税金もあります。所得税と住民税です。社会保険に入らないように仕事量を抑えている人は、このふたつの税金を意識している人も多いかもしれません。所得税と住民税をゼロにするためには、もう少しだけ仕事量を減らす必要があります。

まず、住民税について説明しましょう。年収100万円が住民税の非課税のラインと考えられていますが、どこに住んでいるかによってこのラインは少し動きます。100万円のほかに96.5万円以下、93万円以下という設定もあるのです。一般的に都心部であれば100万円、地方にいくと93万円がラインとなる傾向にあります。住んでいる自治体に問い合わせて、確実な情報を得るようにしましょう。

所得税は年収103万円までは非課税です。 しかし、パートの場合は必ずしも毎月同じ金額になるとは限りません。1年を通して働く時期とまったく働かない時期がある人もいるでしょう。所得税は月額88,000円を超えると、その時点で源泉徴収があります。源泉徴収される額は給与額によって決まります。例をあげてみましょう。

社会保険料等控除後の給与額(月額)源泉徴収額
88,000円以上89,000円未満130円
89,000円以上90,000円未満180円
90,000円以上91,000円未満230円
91,000円以上92,000円未満290円
92,000円以上93,000円未満340円
93,000円以上94,000円未満390円
94,000円以上95,000円未満440円
95,000円以上96,000円未満490円
  • 国税庁「給与所得の源泉徴収税額表(令和2年度分)」より。
  • パート先は1社のみのとし「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出を行っているものとする。
  • パート本人によって扶養される親族は0人とする。

源泉徴収された所得税は、年収が103万円を超えていなければ、年末調整によって徴収された分が全額戻ってきますので、安心してください。

パート先で社会保険に入る人の手取り

ここからはパート先で社会保険に入る人の手取りです。年収が130万円を超えるようであれば、社会保険はもちろん、所得税、住民税なども天引きされますので、手取りに与える影響も少なくありません。

年収130万円から300万円までで、手取り額がどれくらいになるか計算したのが下の表です。

年収社会保険料税金手取り額の目安
130万円189,82222,084108.8万円
140万円203,64435,074116.1万円
150万円217,46548,064123.4万円
160万円231,28761,054130.7万円
170万円245,10969,513146.4万円
180万円258,93076,562
190万円276,13284,416153.9万円
200万円293,33492,473161.4万円
210万円310,536100,427168.9万円
220万円310,836111,001177.8万円
230万円328,038118,856185.3万円
240万円345,240126,912192.7万円
250万円345,540137,486201.6万円
260万円379,644142,924207.7万円
270万円379,944153,497216.6万円
280万円414,048158,733222.7万円
290万円414,348169,306231.6万円
300万円448,452174,744237.6万円
  • 基礎控除は所得控除48万円、住民税控除43万円で計算。
  • 健康保険、雇用保険料額は「協会けんぽ・東京都2020年9月~」を使用。
  • 雇用保険料率は「一般の事業」を使用。
  • 年齢は介護保険の負担がない40歳未満を設定。
  • 住民税は東京都の基準を使用。
  • 所得税には復興特別所得税を含む。
  • 手取り額は千円未満をすべて切り捨てている。

社会保険は年収130万円から300万円の範囲ではそれほど負担割合は変わりません。時給1,000円で考えるなら、およそ145円くらいが社会保険料として天引きされます。

税金はご存じの方も多いと思いますが、たくさん稼ぐ人ほど稼ぎに占める割合が高くなります。とはいえ、税金で負担が大きいのはむしろ住民税で、住民税に関しては所得に対して一律「10%+5,000円」としている自治体がほとんどなので、稼ぎの多寡はあまり関係ありません。年収が200万円以下であれば、時給1,000円の17円から44円が、年収が200万円から300万円までは同時給の48円から58円が税金分として徴収されます。

最終的な手取りは、1,000円の時給に対して790円から840円といったところです。

なお、上の表は40歳未満のパートさんでの計算数値です。40歳以上になるとこれに介護保険料分が加算されます。介護保険料は時給1,000円の10円分くらいです。

天引き額がもっとも大きいのは厚生年金

上の表は社会保険は社会保険で、税金は税金でまとめました。せっかくなので、時給1,000円に対する内訳を細かく見ていきましょう。便宜的に年収130万円から300万円の平均値を取ることにします。負担する額が大きい順に並べると以下の通りです。

  • 厚生年金:92円
  • 健康保険:50円
  • 住民税:32円
  • 所得税:14円
  • 介護保険:9円
  • 雇用保険:3円

偶然にもこれらの合計はぴったり200円(2割)になりました。パートで働いた場合の手取り額をだいたいでいいから知りたい、というのであれば稼ぎの8割が手取りになると考えても、それほど見当外れな数値にはならないでしょう。

執筆者

鈴木玲(ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー)

出版社、Webメディアで企画・制作を手掛けたのちに、メディアプランナーとして独立。それまで無関心だった社会保険や税金、資産運用に目覚める。主に若年層に対して社会の仕組みやお金の役割について経験をもとに、わかりやすく伝える。

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