社会保険の保険料率を完全マスター【2022年度】

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社会保険の保険料は保険ごとの保険料率によって決まります。保険料率とはどんなもので、それぞれ数値がどう設定されているのか。スムーズに理解できるようにまとめました。

このページで想定する読者は会社員(契約社員やアルバイトも含む)や公務員として常時雇用され報酬を得ている人(「会社員等」と表現します)です。また勤め先のことを総称として「会社」と表現しています。

保険料を決める!保険料率の大事な役割

社会保険の保険料率とは、保険料を決めるときに必要な数字です。具体的には以下のように使われます。

報酬(または賃金総額)× 保険料率 = 保険料

ここから分かることは、保険料率が高い保険ほど保険料が高くなるということです。具体的な数値を確認してみましょう。

健康保険 8〜13%程度
介護保険1.79%(協会けんぽ)
厚生年金保険18.3%
労災保険0.25~8.8%
雇用保険0.95~1.25%

健康保険と厚生年金保険が突出して高い数値になっています。また、厚生年金保険以外は保険内でも保険料率に幅があり人によって該当する数値が変わります。たとえば労災保険の保険料率は0.25~8.8%と幅広く設定されています。これは労働に起因するケガや死亡のリスクは職種によって全然違うので、その職種にみあった保険料率が設定されているからです。

令和4年度の保険料率と改定予定

保険料率はときどき変わります。どれくらいのスパンで数値に変更をかけるかは各保険で異なります。それぞれの保険の今の数値と、今後数値が改定される時期を確認しましょう。

健康保険

協会けんぽは毎年2月に3月分から適用される保険料率が発表されます。2022年度分は発表済みです。 次回は2023年3月が改定のタイミングになります。情報は協会けんぽのHPで公開されます。

今年度、協会けんぽの健康保険料率は9.51%~11.00%の範囲で都道府県別に決まっています。

参考)全国健康保険協会「保険料率

健康保険組合と共済組合に属する組合では各組合がそれぞれ保険料率を設定します。全部で1500弱もの組合があり、設定される数値もバラバラです。 1年単位で保険料率を見直すのは健康保険組合や共済組合も同様です。

介護保険

介護保険料は保険者である市区町村に代わって各組合が徴収するものです。健康保険料は組合が独自に決めますが、介護保険料は毎年各組合に決められた納付金に基づき決定されます。

協会けんぽは毎年2月に3月分から適用される保険料率が発表されます。2022年度分は発表済みです。次回は2023年2月が改定のタイミングになります。ここ10年は毎年保険料率が変わっています。情報は協会けんぽのHPで公開されます。

今年度、協会けんぽの介護保険料率は1.64%で全国共通です 。

参考) 全国健康保険協会「協会けんぽの介護保険料率について

厚生年金保険

厚生年金の保険料率は、年金制度改正に基づき2004年から段階的に引き上げられていたが、2017年9月を最後に、いったん引上げは終わりました。料率は厚生年金保険法によって定められているので、変更される場合は事前に法律の審議なされます。

今年度、厚生年金保険の保険料率は18.3%です。

参考)日本年金機構「厚生年金保険料額表

労災保険

労災保険の保険料率改定は原則3年ごとに行わます。直近では2021年に改定されているので次回改定は2024度(予定)です。

今年度、労災保険料率は0.25%~8.8%の範囲で業種別に決まっています。

参考)厚生労働省「労働基準

雇用保険

原則、雇用保険料率は1.55%(一般の事業)です。ただし、2017年の法改正によって近年は0.9% へと引き下げらた状態が長らく続いていました。

しかし、コロナ禍で雇用調整助成金等の支出が増大したため、今年度から保険料率は段階的に引き上げられます。

2022年4月~9月2022年10月~
一般の事業0.95%1.35%
農林水産・清酒製造の事業1.15%1.55%
建設の事業1.25%1.65%

参考)厚生労働省「雇用保険料について

保険料率でわかること、わからないこと

各社会保険の保険料率にはかなりの幅があることが分かりました。その理由のひとつに保険の利用頻度、給付実態があげられます。厚生年金保険は老後に必ず給付されるものですし、日常生活のなかで利用頻度が高いのは健康保険です。対して労災保険や雇用保険は、これまで一度も利用しなことがない、という人も多いのではないでしょうか。保険料率からは、こうしたことが見て取れます。

一方で、保険料率だけではわからないこともあります。あなたが保険料をいくら払うのか、ということです。これは、保険料率によって計算された保険料は、会社とあなたが双方で負担し合うからです。それぞれが保険料をどれくらい負担するかは負担割合によって決まります。この負担割合は各保険で違います。あなたが保険料をいくら払うのか、給料からいくら天引きされるのかは、各保険の保険料率と負担割合の両方を使って確認する必要があるのです。

執筆者

鈴木玲(ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー)

出版社、Webメディアで企画・制作を手掛けたのちに、メディアプランナーとして独立。それまで無関心だった社会保険や税金、資産運用に目覚める。主に若年層に対して社会の仕組みやお金の役割について経験をもとに、わかりやすく伝える。

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