雇用保険とは。失業、育休、再就職etc…。雇用保険の「きほん」

2019-06-19

サイコロに記された転職・就職の文字

 このページでは雇用保険の基本を学ぶよ。雇用保険をわかりやすく理解するために、キミが払う保険料をギブ、保険のサービス内容をテイクで考えてみるよ。

このページで想定する読者は主に会社員(契約社員やアルバイトも含む)として常時雇用され報酬を得ている人です。また勤め先のことを総称として「会社」と表現しています。

雇用保険料を2倍払ってくれるヒーロー!

 キミが払っている雇用保険の保険料(ギブ)を知るには給与明細を見るのが確実だ。多くの人は稼いだおカネ(以下「報酬」と呼ぶよ)の0.3%が雇用保険料の金額になっている(0.3%でなければ0.4%。このどちらかしか今は存在しない)。報酬が20万円なら600円、30万円なら900円だ。

 ただし、社会保険料はキミの天引き額がすべてではない。会社が負担する分もあるからね。キミと会社それぞれの負担分を合算したものが社会保険料の総額になる。健康保険厚生年金保険ではキミと会社の負担はほぼ同等(1/2)だ。雇用保険はキミ1/3、会社2/3がスタンダードな負担割合になる。つまり会社負担割合が高めに設定されている社会保険(キミにとってはおトク!)ということだ。

 以下に社会保険の負担割合をまとめたよ。健康保険は組合ごとに決めるのですべてがこの割合ではないので目安として考えてね。

社会保険の負担割合の図

雇用保険の本丸。失業でもらえるおカネは?

 さて、次は雇用保険のテイクが何かを確認していこう。有名なのは失業したときの手当てだ。ここでの手当てとはおカネのこと。知りたいよね、失業したら雇用保険からいくらおカネをもらえるのか。だいたいでも金額を提示できればいいのだけれど実はこれが難しい。もらえる額は人それぞれで違うし同じ人でも辞めた時期や理由によって額が変動するんだ。そもそもおカネを1日あたりにもらえる額とトータルでもらえる額を分けて考える必要がある。

失業給付額の計算

 1日あたりにもらえる額を決めるのは失業する前の半年間でもらっていた報酬だ(ボーナスは含まない)。 本人の年齢によって微調整があるがそれほど金額にインパクトを与えるものではない。 6ヵ月間平均して得ていた毎月の報酬をもとに1日あたりでもらえる額を算出すると次のようになる。なお年齢は30歳とした。

毎月の報酬(平均)1日あたりもらえる額
200,000円4,865円
300,000円5,918円
400,000円6,666円

 おカネは失業期間中ずっともらえるわけじゃない。そんなことしたら働こうという意欲は失われ、みるみる就職率が下がってしまう。だから日数に制限が設けられている。おカネがもらえる日数の上限は次の項目によって決まる。

本人の年齢年齢が高い人ほど上限は伸びる。
勤めていた期間期間が長い人ほど上限は伸びる。
退職理由倒産・会社都合の解雇の場合、上限は伸びる。

 上記を組み合わせて決定する上限日数は最小で90日、最大で330日だ。かなり幅があるよね。ジブンの場合だと上限日数が何日になるのかは必要な時がきたら確認しておこう。次に紹介する問い合わせ窓口でも教えてくれるよ。

ハローワークで教えてくれること。

 失業による手当てを受ける際の相談先はハローワークだ(名前くらいは聞いたことがある?)。ハローワークは全国に500以上ありそれぞれに管轄エリアがある。相談先は現住所を管轄するハローワークになる。厚生労働省のホームページで簡単に探すことができる。

 手続きの仕方、書類の書き方などのレクチャーはすべてここで教えてもらえる。さらに再就職したときにおカネがもらえる(就職促進給付)ことや、再就職を目指して教育訓練に通った場合に費用の一部を負担してもらえる(教育訓練給付)など、失業手当てだけではない雇用保険のサービスについても知ることができる場所だ。

育休をわかりやすくまとめてみる。

 最後に雇用保険のサービスのひとつ、有名な育休(育児休業給付)についても知っておくといいだろう。今どき育休は妻だけ、夫だけのものではない。育休は権利として会社を休むことができるという点が重要だ。会社は育休を申し出た人の権利を尊重し休むことを認めなければならない。会社はさらにその人が休んでいる期間の給料も支払わなければならないのだろうか。答えはノーだ。休むことは認める(育児を理由に会社を辞めなくてよい)けど会社はおカネまでは払わない。でもそれだと休業期間のやりくりが大変だよね。そこで雇用保険から育児休業給付金という形でおカネがもらえることになっているんだ。これが育休と呼ばれるものだよ。 育休と似た制度に産休がある。ふたつの制度がごっちゃにならないようにスケジュール表で違いをはっきりさせておくといいだろう。

育休と産休のスケジュール

 育休制度でもらえるおカネは図のA期間とB期間で違う。A期間は育休前の報酬のおよそ67%、B期間は50%がもらえるおカネだ。育休期間は子どもが1歳になるまでが原則。ただし保育園に入れないなど理由があれば2歳になるまで延長されることもあるよ。その場合もらえるおカネはB期間と同じく育休前の報酬のおよそ50%分になる。

執筆者紹介

鈴木玲
ファイナンシャルプランナー

記事内の情報は作成日または更新日時点のものとなるように配慮していますが、最新の情報は必ずご自身でもご確認ください。また、本サイトの免責事項もご覧いただけますようお願いいたします。